窓のない窓際

 
俺は水上の手を引いて立ち上がった。


「腹減らね?
もう昼だし、どっか食いに行こーぜ」


水上は何か言いかけたけど、黙ってついてきた。


「何か食いたいのある?」


映画館を出て、適当に歩きながら飲食店を探す。


「特に……ない」


俺が訊くと、水上は小さな声で答えた。


「ならファミレスでも行くか」


ちょうど目の前にあったレストラン。


「いい?」


水上がコクンと頷いたのを確認して店内に足を踏み入れた。


日曜日ということもあって混み合っている店内。


席に案内され、メニューを広げた。