○土手(朝)

季節は冬の終わり。まだ朝日が上がり始めた直後でものすごく寒い。

土手の上の道をたった今買ったばかりの缶コーヒーを両手に持ち歩いている真樹。

真樹「うー、やっぱり朝はまだ寒いな。冬の朝帰りはホント体にこたえるな」

缶コーヒー開ける真樹。

真樹「でも、これさえあれば」

コーヒーを一口飲む真樹。

真樹「うーん、温かい。体の芯がポカポカだ」

雪が降って来る。

真樹「あっ、雪」

雪を目で追いながら歩く真樹。

真樹「こりゃ、寒いわけだ。キャッ」

真樹、前を見て歩いていなかったので、男(俊平)にぶつかり倒れてしまう。

ぶつかった勢いでコーヒーが俊平の服にかかってしまう。

真樹「痛い」

俊平、真樹に手を差しのべる。

真樹「あ、ありがとうございます」

真樹、戸惑いながら、俊平の手を借りて立ち上がる。

俊平の手はものすごく温かい。

真樹「あの、私、前見てなくて、ホントごめんなさい」