躊躇《ちゅうちょ》していた私を気遣うように彼は言って、くるり、と背を向けた。 「――…あ、なたは?」 声が上手く出なかった。 「俺は、コレかぶってれば大丈夫!」 そう言って、毛布を手にして、青年はニコッと笑った。 いい人、なんだよね……。 それに、半端じゃなく濡れたウェアが冷たい。 「……」 そんなこと、気にしている場合じゃないな……。私は思い切って、ウェアを脱ぎはじめた。