不器用に

 差し延べられた手



 真っ直ぐに

 私を見つめる真剣な瞳。



 さっきの意味は

 そう言うこと、だよね?





「……」





 私

 この手を取ったら

 きっと、後悔する。



 でも



 取らなかったら

 もっと、後悔する。



 そう、思った。





「……」





 克己の

 吸い込まれるような

 真っ直ぐな瞳から

 目がそらせない。





 運命の輪が回る



 瞬間――





 私は

 差し延べられた

 克己の手に



 ゆっくりと

 自分の手を重ねた。




















 FIN