「ケチとか関係ないじゃん。」


あたしはそういいながら早歩きで登校坂を登るけれど、慧はそれにぴったりとついてくる。


――これじゃあ、何にも意味がないじゃん。


慧は意外にも、そこら辺の男子よりはモテたりする。ラブレターとか、あたしに頼む子も少なくはなかった。


背はあたしとそんなに変わらないけれど、まつげなんかはあたしよりも数段長い。しかもパッチリとした二重で、女の子のあたしより目が大きい。


あたしなんかの隣にいていいのかな、ってずっと思ってた。


「愛莉冷たいー!」