キミの『好き』をカタチに。~世界でひとつだけのオーダーメイド~

「おはよう、莉愛」

駅の改札を通り抜け、人ごみの中を歩いていたら、うしろから元気な声が聞こえてきた。
振り返ると、親友の小野寺(おのでら)ましろがツインテールの髪を揺らしながら駆け寄ってくる。

「あ、ましろ。おはよう」

「ねぇねぇ、朝の情報番組、見た?」

声を弾ませて言うましろは、流行に敏感でアイドルが大好きな女の子だ。

「見たよ。アイドルのユアでしょ」

「そう! コスメのCMキャラクターに選ばれるなんてすごいじゃん」

「まあね」

私が少し得意げに胸を張ると、ましろが眉間にしわを寄せた。

「なんで莉愛がどや顔してんの?」

「だって、結愛は私の自慢の姉だもん!」

私、冬月莉愛(ふゆつきりあ)の双子の姉の結愛(ゆあ)は、『ユア』という名前で芸能活動している。
ドラマやCMに出演して歌も歌う、人気のアイドルだ。

ましろが「そういえばさ」と思い出したように口を開いた。

「前から聞きたかったんだけど、どうして莉愛は芸能人にならなかったの?」

「私?」

「うん、莉愛」

ましろがじーっと私を見つめてくる。

「どうしてって……」

「莉愛はユアちゃんの双子の妹だし、顔もそっくりじゃん。だから芸能人になりたいとか思わなかったのかなと思って」

芸能人か……。

ましろの言う通り、私と結愛の顔はそっくりだけと、違うところもある。