直哉の部屋に行く日がやってきた。
菜月はちょっと、緊張していた。
菜月は、今日は、白いカットソーに、青いキュロットスカート姿だった。赤いヘアバンドをしている。
直哉の部屋は、2LDKで、菜月の部屋よりも広かった。
白い壁にダークブラウンの床。ソファに、大きな観葉植物。
落ち着いた部屋だった。
二人で、リビングでサブスクの映画を観た。
大きなテレビだった。
内容は、かわいらしいラブロマンスだ。
もちろん、ハッピーエンド。
「おもしろかったです」
「よかった」
その後、直哉が用意した夕食を食べた。
直哉の手作りのハンバーグにライスだった。つけあわせに、じゃがバター。
「うわぁ、おいしい!」
「そうだろ? なんてね」
直哉は、いつもの大人らしい様子とは別人のように、菜月に甘えた。
くっついたり、抱きしめたり、キスしたり。
まるで、甘えん坊の猫みたいだ。
「菜月ちゃん、大好きだよ」
菜月は、意外だったが、特別な顔を見せてくれたみたいで、嬉しかった。
直哉は、その日は菜月を送って帰った。
名残惜しかった。
ある日、菜月は勇気を出して、電話で言った。
「私の部屋に来ませんか?」
スマホを持つ手が震えた。
大胆だと思われなかっただろうか?
直哉は浮かれていた。
菜月の方から誘ってくれた!
電車で、菜月の部屋の最寄りの駅で降り、菜月の部屋へ向かった。
「会いたかった……」
思わず、直哉はそう言ってしまった。
出迎えた菜月は、
「……私も」
赤くなって、微笑んだ。
また、ロマンス映画を見、夕食は、今度は一緒に作った。
菜月が野菜を切って、直哉が隣で調理する。
体がたまに触れ、二人とも照れる。
食後、直哉が甘えてきた。
「菜月ちゃん、もっとくっついてたいよ」
「もう……甘えん坊さんなんだから」
「もっと、一緒にいたい」
「わ、私も……」
そのまま。直哉は泊まっていった。
翌朝、二人は同じベッドで目を覚ました。
カーテンから朝日が差し込み、菜月は、隣に直哉がいることに気づく。
昨日までより近い距離……。
菜月は、くすぐったくて、恥ずかしくて──でも、幸せだった。
「おはよう、菜月」
「お、おはよう、直哉……」
「菜月、俺、今最高に幸せ」
「わ、私も……」
二人は、朝食を二人で摂った。
今日は、直哉が作った。
目玉焼きにご飯。味噌汁だった。
「次は、いつ会おうか?」
「うん。また二人きりで、会いたい」
「俺、毎日でも、菜月に会いたいよ」
「もう……」
「菜月は?」
「……わ、私も」
「菜月!」
直哉は、菜月を抱きしめた。
「かわいすぎる!」
