あなたと見つけた、幸せのかたち


 同棲から半年ほど経ったころだった。
 直哉の友人の結婚式に呼ばれた。
 直哉はスーツ。菜月は紺のドレスで出席した。
「ご結婚、おめでとうございます!」
「本当に、おめでとう」
「ありがとう、直哉。菜月さん」
 新郎新婦は、とても幸せそうだった。
 直哉も菜月も、見ていて幸せな気分になった。
 特に、ウェディングドレスを着た新婦が綺麗で、菜月がずっと見つめていた。
 直哉は、それに気づいた。
「直哉たちは、いつ結婚するんだ?」
 と新郎に訊かれた。
「ん〜……」
 直哉が結婚を意識し始めたきっかけだった。

「お客さま。どのような商品をお探しですか?」
 ジュエリーショップであれこれ迷っていると、店員が声をかけてきた。
「あ、あの、指輪を探してて」
「贈り物でしょうか?」
「は、はい。女性への贈り物で……その……」
「それでしたら、こちらなどいかがでしょうか?」
 菜月の顔を思い浮かべて、指輪を見て回った。
 リング自体に模様や宝石があるものや、様々な大小の宝石がついたもの。
 かわいらしい、ハートやリボンや星、クローバーをモチーフにしたものもあった。
 菜月が好きそうかな、と思った。
 迷って、ダイヤモンドが一粒ついた上品な指輪にした。

 ──いつ、渡そう?
 ソファに座り、いつも通り、テレビでサブスク映画を楽しんでいる菜月。
 横顔が、今日も綺麗だ。
 彼女を見ながら、思う。
 喜んでくれるかな?
 ……もし断られたら、生きていけない……。
 
「菜月。──いや、菜月さん」
「え? なに、急にどうしたの?」
 開けたグレーの箱に入った指輪を差し出し、直哉は言った。
 箱を持つ手が震えた。
「私と、結婚してください」
 ゆっくりと、心を込めてそう言った。
 菜月の目が見開かれた。