溺愛不可避



「うるさい」


「いやいやいや!お前!!
何年越しだと思ってんだよ!!」

「…10年?」



「ちょっと待て、俺泣きそう」

「なんでお前が泣くの」



これだから言いたくなかったんだ


遥斗は絶対に騒いで泣き出す

まるで自分に恋人ができたような喜び方


俺だって今は黙ってられないくらい
気持ちが浮ついてるのに。


遥斗みたいに、感情を素直に出せない。


「落ち着かない…」


机に頬杖をつきながら、スマホの画面を眺める。

そこには、ついさっき届いた愛からのメッセージ。


『今日も放課後会える?』


たったそれだけなのに


無既読にして
何度も見てしまう。



ずっと欲しかったものが
今、手に入ったのに


自分の気持ちの扱い方が分からなくなった。



***