「くっ……貴様ら、薬師寺先生の労いの会を邪魔する気か……」
「まあまあ、硬いこと言わないでよエリア長!」
「そうですよー! 僕たちもいた方が天音さんも絶対楽しめますって♪」
神楽坂エリア長の低い威嚇を、一ノ瀬薬局長と橘くんが軽快にいなしていく。
急遽始まったカオスな四人席で、神楽坂エリア長が橘くんの注文に眉をひそめた。
「おい橘……薬師寺先生の前だというのに、いきなりペペロンチーノなどガッツいたりするなよ。匂いへの配慮を慎め」
「あー! 僕がラッサール出身の男子校育ちだからって、ニンニクをガツガツ喰らうノリで頼むわけないじゃなあですか! ね、天音さん♪」
身を乗り出して微笑んでくる橘くん。
お年頃の男子高から男子部という密度の濃い男子ルートを歩んできたはずなのに、彼は嫌な匂いどころか爽やかで甘い香りがして、私の脳みそは一瞬で沸騰しそうになる。
すさかず一ノ瀬薬局長がスマートに店員さんを呼び止めた。
「それじゃあ注文いいかな。イタリア前菜八品盛り合わせと、ぷりぷり海老とアボカドのトマトクリームソース、名物!渡り蟹のトマトソース。それと食後にティラミスね」
「あ、僕はつぶ貝のアヒージョと、天音さんにシーザーサラダ追加で!」
「おい……頼みすぎだぞ貴様ら。……すみません、私にもズワイガニのミモザサラダと、厚切りベーコンのフィレンツェ風トマトソースパスタを」
手際よく怒涛の注文を済ませると、三人の視線が一斉に私へと向けられた。
「「「薬師寺先生(天音さん)は何がいい!?」」」
「はわわわわ……っ!!」
尊い顔面が三つ並んで私を見つめている。あまりの美しさとおしゃれな店内に頭がまったく回らない。
「あの……その……私、は……」
「「「あーんしてやろうか?(してあげましょうか?)」」」
「ボカーーン……っ!!!」
私の中の何かが盛大にショートした。
「どうしたんだ天音ちゃん!? 天音ちゃーん!」
「天音さんしっかり! ファイトです!」
パニックで目を回す私に、イケメンたちが次々と北海道イタリアンの激ウマ料理を押し寄せてくる。
わ、私は『Milk』でも推し専なの! 一人に絞るなんて決められないのよー!
(みんな尊すぎる……っ!!)
そもそも私なんて、指定校推薦で運良く薬科大に入れただけの地味な人間だ。必死に勉強して頑張ってギリギリ薬剤師になったのに、目の前にいる三人は余裕で国試をパスしてきた超ハイスペックなイケメンばかり。
なんでそんな雲の上の人たちが、私に向かって怒涛のアタックを仕掛けてくるの……!?
右を見れば、黒スーツの着こなしが完璧なスーパーイケメンの神楽坂エリア長。
正面を見れば、医師の息子で家柄抜群のキザな一ノ瀬薬局長。
左を見れば、男子部出身とは思えないほど可愛いアイドルフェイスを持つ、ラッサールの化物新人・橘くん。
次々と繰り出される料理の「あーん」と、イケメンたちの怒涛の微笑みウェーブ。
(あ、ダメ……尊すぎて息が……っ! 帰ったら『ラブ過ぎて滅』を爆音で聴こう……。この目の前にいる三人の妄想でもしながら……フフッ……)
こうして、過剰なまでにイケメンたちから労われ倒した私は、眼福すぎる至福(と激しい胃痛)の夜を過ごしたのだった。
「まあまあ、硬いこと言わないでよエリア長!」
「そうですよー! 僕たちもいた方が天音さんも絶対楽しめますって♪」
神楽坂エリア長の低い威嚇を、一ノ瀬薬局長と橘くんが軽快にいなしていく。
急遽始まったカオスな四人席で、神楽坂エリア長が橘くんの注文に眉をひそめた。
「おい橘……薬師寺先生の前だというのに、いきなりペペロンチーノなどガッツいたりするなよ。匂いへの配慮を慎め」
「あー! 僕がラッサール出身の男子校育ちだからって、ニンニクをガツガツ喰らうノリで頼むわけないじゃなあですか! ね、天音さん♪」
身を乗り出して微笑んでくる橘くん。
お年頃の男子高から男子部という密度の濃い男子ルートを歩んできたはずなのに、彼は嫌な匂いどころか爽やかで甘い香りがして、私の脳みそは一瞬で沸騰しそうになる。
すさかず一ノ瀬薬局長がスマートに店員さんを呼び止めた。
「それじゃあ注文いいかな。イタリア前菜八品盛り合わせと、ぷりぷり海老とアボカドのトマトクリームソース、名物!渡り蟹のトマトソース。それと食後にティラミスね」
「あ、僕はつぶ貝のアヒージョと、天音さんにシーザーサラダ追加で!」
「おい……頼みすぎだぞ貴様ら。……すみません、私にもズワイガニのミモザサラダと、厚切りベーコンのフィレンツェ風トマトソースパスタを」
手際よく怒涛の注文を済ませると、三人の視線が一斉に私へと向けられた。
「「「薬師寺先生(天音さん)は何がいい!?」」」
「はわわわわ……っ!!」
尊い顔面が三つ並んで私を見つめている。あまりの美しさとおしゃれな店内に頭がまったく回らない。
「あの……その……私、は……」
「「「あーんしてやろうか?(してあげましょうか?)」」」
「ボカーーン……っ!!!」
私の中の何かが盛大にショートした。
「どうしたんだ天音ちゃん!? 天音ちゃーん!」
「天音さんしっかり! ファイトです!」
パニックで目を回す私に、イケメンたちが次々と北海道イタリアンの激ウマ料理を押し寄せてくる。
わ、私は『Milk』でも推し専なの! 一人に絞るなんて決められないのよー!
(みんな尊すぎる……っ!!)
そもそも私なんて、指定校推薦で運良く薬科大に入れただけの地味な人間だ。必死に勉強して頑張ってギリギリ薬剤師になったのに、目の前にいる三人は余裕で国試をパスしてきた超ハイスペックなイケメンばかり。
なんでそんな雲の上の人たちが、私に向かって怒涛のアタックを仕掛けてくるの……!?
右を見れば、黒スーツの着こなしが完璧なスーパーイケメンの神楽坂エリア長。
正面を見れば、医師の息子で家柄抜群のキザな一ノ瀬薬局長。
左を見れば、男子部出身とは思えないほど可愛いアイドルフェイスを持つ、ラッサールの化物新人・橘くん。
次々と繰り出される料理の「あーん」と、イケメンたちの怒涛の微笑みウェーブ。
(あ、ダメ……尊すぎて息が……っ! 帰ったら『ラブ過ぎて滅』を爆音で聴こう……。この目の前にいる三人の妄想でもしながら……フフッ……)
こうして、過剰なまでにイケメンたちから労われ倒した私は、眼福すぎる至福(と激しい胃痛)の夜を過ごしたのだった。
