愛してるなんて、噓でしょう?

雨の日は、少しだけ嫌いだ。


どうしてなのかは分からない。


ただ、雨の音を聞いていると、胸の奥がきゅっと苦しくなる。


まるで、忘れてしまった何かを思い出しそうになるから。

「美月ちゃん、そこのテーブルお願い!」

「はーい!」

店長の声に返事をして、私は手に持っていたトレーを置いた。


ここは、駅から少し離れた場所にある小さなカフェ。


私はここで働き始めて、もう一年になる。


常連さんも増えたし、仕事にも慣れた。


特別なことなんて何もない。


毎朝起きて、仕事に行って、家に帰る。


そんな普通の毎日が、私は好きだった。