「……ねえ、椎名さん!」 1人でお弁当を食べていると、前の席の女子が振り返って声をかけてきた。 「長谷川くんってさ、すっごいイケメンだよね。隣の席なんて羨ましい〜。なんか話した?」 「え……? あ、ううん。挨拶くらい、かな?」 私は苦笑いを浮かべながら、嘘をつく。 ──本当は、幼馴染。 そんなこと、今の遥希の態度を見ていたら、とてもじゃないけど周りには言えない。 視線の端で、遥希がこちらを一瞬だけ見たような気がしたけれど、彼が口を開くことはなかった。