幼馴染だから、恋じゃない





どんな顔をして迎えればいいんだろう。




「お帰り」って言えばいいのかな。


それとも、「久しぶり」って笑えばいいのかな。










遥希が私の隣の席にたどり着き、机の横にカバンをかける。


そして、すっと私の方を向いた。


視線が、真っ向から交差する。




私は息を呑み、乾いた唇を震わせながら、精一杯声を絞り出した。





「あの……遥希、私、美空──」





けれど。


私の言葉を遮るように、遥希は感情の読めない冷ややかな瞳で私を見つめ、小さく頭を下げた。





「よろしく、椎名さん」





──椎名さん。



その他人行儀な響きに、私の頭は真っ白になった。