「急な話ですが、今日からこのクラスに転校生が加わることになりました。……入ってきて下さい」
その言葉に、教室内が瞬時に色めき立つ。
「まじかよ、この時期に?」
「男子? 女子?」
「イケメンかなっ!?」
あちこちから交わされる、期待混じりの声。
私はそんな周囲から一歩引いたところで、やはり窓の外を見ていた。
東京や他の大都市から来るような、キラキラした誰かが来るのだろうか。
地方の代わり映えのしないこの町にやってくる風に、私は関係ない。
……そう、思っていた。
ガラガラ、と無機質な引き戸が開く。
上履きで床を歩く静かな足音が、教壇へと向かっていく。
「……では、自己紹介をお願いします」
先生に促され、その人が黒板の前に立った。

