幼馴染だから、恋じゃない









あの放課後から、世界が一変してしまったかのような錯覚に陥っていた。






夜、ベッドに入っても、遥希の「俺のヒドイ人生に巻き込みたくない」という言葉が耳の奥で何度もグルグルと回っていて、結局ほとんど眠れなかった。






遥希に何があったのかな……。


考えても答えの出ない問いが、まだ頭の中をグルグルと回り続けている。




重い足取りで登校すると、教室の空気は昨日よりもさらに遥希を中心に回っているようだった。





「長谷川くん、おはよう!」




「これ、昨日のプリントの課題ねっ!」





クラスの女子たちが朝から彼の席を取り囲んでいる。




遥希は昨日と同じように、端整な顔立ちに薄い笑みを浮かべ、「ありがとう」と応えていた。




その完璧な外面を見るたびに、私の胸の奥がキュッと締め付けられる。