幼馴染だから、恋じゃない







「でも、俺に関わらないで」




「え……? どういうことっ──」




「言葉通りの意味だよ。俺はこの街に、ただいま、なんて笑って戻ってきたわけじゃないから。家の事情も、俺の心の中も……お前が知ってる昔の俺とは違う。もう、あの頃の綺麗な思い出のままの長谷川 遥希は、どこにもいないんだよ!」





遥希はそうまくし立てると、短く息を整え、静かに立ち上がって教科書をカバンに詰め込んだ。


そして、私を置き去りにするように歩き出す。






「……だから、ほっといてよ」






その背中が今にも音を立てて割れてしまいそうなほど脆く見えて。




私は考えるより先に、彼の制服の袖を強く掴んでいた。






「待ってっ! 訳わかんないよ……! 何があったの? 昔の綺麗な思い出とじゃなくて、私は今の遥希と話したいの。教えてよっ!」