チョコミント弁当

学校の屋上──

彼氏「弁当デート付き合ってくれてありがと」 

彼女「うん、うちね、今日唐揚げ弁当♪」

彼氏「俺はチョコミント弁当だよ」

彼女「⋯⋯は?」 
    
彼氏「へへ、めずらしいっしょ。俺の大好物なんだよね」

彼女「いやいや、待って。チョコミントってデザートだよね!? ご飯じゃないよね!?」

彼氏「うん、たぶん俺以外食わないと思う」

彼女「マジありえない⋯⋯え、何、弁当箱にチョコミントのアイスクリーム入ってるの? チョコレート? タブレット?」

彼氏「じゃじゃーん」パカッ

彼女「⋯⋯なにこれ。米めっちゃ緑なんだけど」

彼氏「チョコミントの炊き込みご飯♪」

彼女「うっ⋯⋯やば、めっちゃミント臭い」

彼氏「チョコミントアイス溶かして、炊飯器に米と入れて炊き込んだわ」

彼女「えええ⋯⋯ないわ」

彼氏「あーん、して♡」

彼女「やだ! 絶対やだ吐く!」

彼氏「いーから♡」

彼女「うぐっ」

彼氏「おいし?」

彼女「うぇ、げほっ、げほっ、げほっ、おぇ、げぇ」

彼氏「あはは、刺激的だよね?」

彼女「こんなん、げほっ、人間の、くうもん、おえ、じゃない、ううっ」

彼氏「さぁ、もっとお食べ」

彼女「やだ!⋯⋯ぐふっ」

彼氏「この味、二人の秘密だよ。これからも作るね?」

彼女「もうやだ! 別れる!」

彼氏「え⋯⋯」

彼女「これからもこれ私に食べさせるの? マジ無理なんだけど。胃痙攣おこすわ」

彼氏「やだよ、付き合ったばっかじゃん!」

彼女「こっちこそやだよ! チョコミント弁当とかごめんだから!」タタタタタッ

彼氏「待って! 待ってよ! 今度から普通の弁当作るから! 許して! 別れたくないっ!」

二人の初恋は、チョコミントの味で終わった。