こっちを、むいて。

「弥代くん」


ふいに名前を呼ばれて顔を上げる。

あいも変わらず、彼女は彼女のままだ。

窓の隙間から吹く春風に髪を靡かせた彼女は…。


「おはよ、保泉さん」


保泉風花。

オレを二度振った張本人。

オレから奪ったくせに

オレに与えてしまった

オレの人生のキーパーソン。


今でも、


今でも、


何度眠りについて


何度朝を迎えても


忘れらんない。



オレの、好きな人。