こっちを、むいて。

夢かと思った。

あの日

あの時

あの場所で

浴びた光は

本物だった。

まぶしくて一瞬気を失いかけたけど、そんなことしてる場合じゃない。


「あっ、あの!」


わたしは去っていこうとする背に声をかけられた。

数秒してこっちを見てくれて、交わった視線にふわあっと舞い上がってしまって。

心臓はバクバク鳴ってるし、唇はプルプル震えてまともに話せそうにない。

けど、ここで逃したらもう二度と…

なんて考えて、わたしはどうにか口を開いた。


「あ、あの…えと、その…おっ、お昼ここで食べっ、食べるんですか?」


と、どうでもいいことを聞いてしまう。


「そのつもりで来たけど」

「なら、どどっ、どうぞわたしのことはおかまいなく、お召し上がりください」


わたしは立ち上がり、ローファーをコツコツ鳴らしながらすみっこに移動した。


ああ、違う。

そうじゃない!

そうじゃないよ、わたし!

会えたら言うって決めてたことあるでしょう?

でも、こんなにも早くしかもこんな場所で会うなんて思ってなかったから

脳がバグって珍行動起こしちゃったよ。


…はぁ。


と心の中でため息をついたその時。