こっちを、むいて。

入学式から一週間が経ったというのにいまだに友達を作れずにいたわたしは、その日も逃げるように人気のない屋上に来ていた。

長いことモグラをしていたわたしが最初からうまくやれるわけはないとは思っていたけど、それにしてもドへたくそすぎ。


「はーあ。せっかく新天地にきたのに」


晴天すぎて恨みたくなるくらいの青空に愚痴を投げる。


…会いたい。

…お礼がしたい。


ただそれだけの願いだけど、わたしをこの場所へと導いてしまった。

今でもまだ鮮明に思い出せる。

クリスマスに浴びて今なお色あせないあの偉大な光。

その光を追ったら、その先も光り輝いていそうで。

だからわたしはここに…。


ギーッと鈍い音がうっすらと聞こえた。

屋上へ向かう錆びた扉の薄気味悪い音。

何回も聞いてるから間違いない。

つまり、誰かがやってきたということ。

こんな辺鄙な場所にやってくるなんて、

一体どんな変わり者だろう。

そんなことを思いながら音のしたほうを見てみる。


「あっ…えっ、嘘」