ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜

「でもさ、かのぴって誰から告白されても全然なびかないじゃん? 他校のイケメンからも連絡先聞かれまくってるのに。もしかして、昔から言ってる『夢のファーストキス』の理想が高すぎるんじゃないの?」


妃菜のいたずらっぽい指摘に、美玲も身を乗り出して乗っかる。


「それウチも気になってた! かのぴの言う『運命の相手と最高のロケーションで交わすファーストキス』ってやつ! そこまでこだわる理由、なんなの?」


「な、何よ二人とも、急に人の恋愛事情に踏み込んできて……!」



ツインテールの毛先を指先で巻き取りながら、夏凜は慌てて顔の熱をごまかした。


美玲も妃菜も、夏凜の大切な親友だ。



けれど、二人がどれだけ面白がって突っついてきても、この胸の奥に秘めた本当の動機だけは、口が裂けても言えなかった。



(……理由なんて、ひとつしかないに決まってるじゃない)