ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜

「……どうして、ここまでしてくれるんだ?」

低く、どこまでも誠実な響きを含んだ声が、夏凜の耳を打った。

「俺は……夏凜の言う通り、ずっと逃げてた。転校先で陰口を言われて、怖くなって、周りの目を避けて……。そんなみっともない俺を、どうして夏凜が助けてくれるんだよ。俺なんかに構っても、夏凜には何の得もないはずだろ」

「っ……」

胸の奥が、ぎゅっと締め付けられた。

理由なんて、ひとつしかない。

太陽の光を浴びてプールで笑っていた海斗が好きだったから。

告白して、逃げられて、――ずっと海斗のことだけを追いかけて、振り向かせたくて、見返したくて、ここまで必死に自分を磨いてきたから。

日陰の底で傷ついていた初恋の相手を、誰よりも格好いい男としてもう一度輝かせたいと願ったのは、他の誰でもない、夏凜自身の純粋な恋心だった。