ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜

「まずは、その顔の半分を占領してる真っ黒なメガネ。没収よ」

「えっ、でもそれ取ると……」

「いいから黙って外しなさい。アンタの骨格にはフレームが太すぎて、目元の彫りの深さを全部押し潰してるの」


有無を言わさぬ勢いで、夏凜の華奢な指が海斗のこめかみへと伸びた。

カチリと音を立てて太縁メガネが外され、調理台の上へと置かれる。

遮るもののなくなった海斗の顔。けれど、まだ重たく伸びきった前髪が、眉と瞳を頑なに覆い隠していた。

「いくわよ。目を閉じてて」

夏凜はワックスを馴染ませた両手を、海斗の黒髪へと差し入れた。