男子生徒たちの足音が廊下の遠くへ消え去り、放課後の教室には沈黙だけが重く澱んでいた。
西日が窓枠を茜色に染め抜き、教卓に残された藁半紙の束を赤く照らし出している。
夏凜は激しい息遣いを鎮めながら、ツインテールの乱れを右手で軽く払った。
そして、教卓の脇で身じろぎもせず立ち尽くしていた少年に向かって、ずいと一歩を踏み出す。
「……アンタね。なんであんな言いなりになってんのよ。嫌なら嫌って、最初からはっきり断ればいいじゃない!」
刺々しい口調になってしまうのは、情けなさへの苛立ちと、それ以上に胸の奥を締め付ける焦燥感のせいだった。
だが、海斗は視線を床に落としたまま、重たく垂れた前髪の奥から太い黒縁メガネを押し上げただけだった。
西日が窓枠を茜色に染め抜き、教卓に残された藁半紙の束を赤く照らし出している。
夏凜は激しい息遣いを鎮めながら、ツインテールの乱れを右手で軽く払った。
そして、教卓の脇で身じろぎもせず立ち尽くしていた少年に向かって、ずいと一歩を踏み出す。
「……アンタね。なんであんな言いなりになってんのよ。嫌なら嫌って、最初からはっきり断ればいいじゃない!」
刺々しい口調になってしまうのは、情けなさへの苛立ちと、それ以上に胸の奥を締め付ける焦燥感のせいだった。
だが、海斗は視線を床に落としたまま、重たく垂れた前髪の奥から太い黒縁メガネを押し上げただけだった。


