ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜

ずっと走り続けてきた。

悔しくて、見返したくて、雑誌の着こなしを暗記するほど読み漁り、メイクもスキンケアも死ぬ気で研究して、誰もが羨むカリスマギャルになった。

全部、海斗に「可愛くなったね」って言わせたかっただけなのに。

あいつの一番になりたくて、もう一度隣に立ちたくて、必死に背伸びしてきただけなのに。

結局、本気になればなるほど空回りして、大切な幼なじみを傷つけて、最後は一人ぼっちでこんな夜の暗がりに転がっている。

「うっ……ぐすっ……海斗の、バカ……っ」

腫れ上がった足首を両手で強く抱きしめ、夏凜は誰にも届かない罵声を夜風に漏らした。

みっともなくて、惨めで、情けなくてたまらない。


片方の靴を失ったシンデレラは、魔法が解けた暗闇の底で、ただ震えながら声を殺して泣きじゃくることしかできなかった。