ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜

大講堂を飛び出した瞬間から、夏凜の視界は滲む涙でぐしゃぐしゃに歪んでいた。

肌を刺す冷たい夜風が、火照った両頬を容赦なく叩きつける。

とにかく遠くへ逃げたかった。


海斗の胸元から漂ってきたあのシトラスコロンの香りも、薄いシフォン越しに腰を支えてくれた大きな手のひらの熱さも、すべてが胸の奥を激しく掻きむしり、息すらまともに吸えなくなっていた。

どうして、あんな愛しそうな目でウチを見つめてくるのか。

冷たい敬語で突き放したくせに。美玲の腕を取って、別の場所へ行ってしまったはずなのに。