放課後の気だるい空気が漂う中等部の校舎。
部活動へと向かう生徒たちの足音が遠く響く中、夏凜は二階の空き教室の前で足を止めていた。
木製の扉の隙間から漏れ聞こえてくるのは、昼休みと同じ、下品で軽薄な男子生徒たちの笑い声だった。
「神崎ー、お前ほんと都合いいよな。プリントのホチキス留め、あと百部あるからやっとけよ」
「ついでに理科室のビーカー洗いも押し付けといたからさ。明日までに頼むわ」
教室の中では、型崩れしたブレザーを着た海斗が、教卓の上に山積みになった藁半紙を前に、ただ黙って頭を下げていた。
重たく垂れ下がった前髪のせいで表情は見えない。
だが、太縁の黒メガネ越しに落とされた視線は虚ろで、言い返す気力すら最初から捨て去っているかのようだった。
部活動へと向かう生徒たちの足音が遠く響く中、夏凜は二階の空き教室の前で足を止めていた。
木製の扉の隙間から漏れ聞こえてくるのは、昼休みと同じ、下品で軽薄な男子生徒たちの笑い声だった。
「神崎ー、お前ほんと都合いいよな。プリントのホチキス留め、あと百部あるからやっとけよ」
「ついでに理科室のビーカー洗いも押し付けといたからさ。明日までに頼むわ」
教室の中では、型崩れしたブレザーを着た海斗が、教卓の上に山積みになった藁半紙を前に、ただ黙って頭を下げていた。
重たく垂れ下がった前髪のせいで表情は見えない。
だが、太縁の黒メガネ越しに落とされた視線は虚ろで、言い返す気力すら最初から捨て去っているかのようだった。


