「……とても綺麗だよ、二ノ宮さん」
立ち止まった東堂が、夏凜の耳元へ低く澄んだ美声を囁き、滑らかに右手を差し伸べた。
「ありがとう、ございます……」
夏凜は微かに震えそうになる指先を抑え、東堂の掌へと重ねた。
斜め向かいでは、海斗が美玲の細い腰元へと硬い手つきで手を添えている。
互いに別の相手を抱き、心は引き裂かれたまま。
ステージ奥のオーケストラから優美なウィンナー・ワルツの旋律が静かに立ち上がり、切ない夜のプロムが、静かにその幕を開けた。
立ち止まった東堂が、夏凜の耳元へ低く澄んだ美声を囁き、滑らかに右手を差し伸べた。
「ありがとう、ございます……」
夏凜は微かに震えそうになる指先を抑え、東堂の掌へと重ねた。
斜め向かいでは、海斗が美玲の細い腰元へと硬い手つきで手を添えている。
互いに別の相手を抱き、心は引き裂かれたまま。
ステージ奥のオーケストラから優美なウィンナー・ワルツの旋律が静かに立ち上がり、切ない夜のプロムが、静かにその幕を開けた。


