大講堂の装飾幕の向こうから、開演を告げるブザーの重低音が響き渡った。
照明が一斉に落とされ、フロアを満たす生徒たちの熱気とざわめきが、ひととき静まる。
だが、薄暗い幕の陰に立ち尽くす海斗の耳には、その音すら届いていなかった。
(全部……俺のためだったんだ……)
夏凜の行動の全ては、かつて自分を突き放した幼なじみをもう一度太陽の下へ連れ出し、胸を張って向き合うための、血のにじむような純粋な愛だったのだ。
自分は――。
今すぐにでも生徒会の控室へ駆け出し、夏凜の前に膝をついて、許しを請わなければならない。
傷つけて悪かったと、その手を引き戻さなければならない。
だが――海斗の足は、床に縫い付けられたように一歩も動かなかった。
照明が一斉に落とされ、フロアを満たす生徒たちの熱気とざわめきが、ひととき静まる。
だが、薄暗い幕の陰に立ち尽くす海斗の耳には、その音すら届いていなかった。
(全部……俺のためだったんだ……)
夏凜の行動の全ては、かつて自分を突き放した幼なじみをもう一度太陽の下へ連れ出し、胸を張って向き合うための、血のにじむような純粋な愛だったのだ。
自分は――。
今すぐにでも生徒会の控室へ駆け出し、夏凜の前に膝をついて、許しを請わなければならない。
傷つけて悪かったと、その手を引き戻さなければならない。
だが――海斗の足は、床に縫い付けられたように一歩も動かなかった。


