ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜

足音が遠ざかり、再び静まり返った準備室。


少年は一人きりになると、重いため息とともに、ずり落ちそうになっていた黒縁の太メガネを指先で押し上げた。


その瞬間だった。


首筋に貼りついた汗を拭おうと、少年が重たい前髪を無造作に指先でかき上げた。


隙間から露わになったのは、凛としたシャープな眉と、切れ長の涼しげな目元。


そして――どんなに姿勢を丸めて隠そうとしても隠しきれない、たくましく横に張った広い肩幅と、日焼けの跡が残る浅黒い肌。


「っ……!?」



夏凜の心臓が、早鐘のように激しく跳ね上がった。