大講堂へと続く重厚な両開き扉のすぐ手前、華やかな装飾幕の陰に、二つの人影が並んでいた。
扉の隙間からは、フロアに集う大勢の生徒たちのざわめきと、チューニングを合わせる金管楽器の甲高い調べが漏れ聞こえてくる。
開演まで、あと五分も残されていない。
海斗は窮屈なナロータイの結び目をわずかに緩めようとして、思いとどまり、手を下ろした。
――「首元の隙間はミリ単位で第一印象を変えるのよ」
家庭科室で夏凜が真剣な眼差しで教えてくれた言葉が、無意識のうちに指先の動きを止めていた。
扉の隙間からは、フロアに集う大勢の生徒たちのざわめきと、チューニングを合わせる金管楽器の甲高い調べが漏れ聞こえてくる。
開演まで、あと五分も残されていない。
海斗は窮屈なナロータイの結び目をわずかに緩めようとして、思いとどまり、手を下ろした。
――「首元の隙間はミリ単位で第一印象を変えるのよ」
家庭科室で夏凜が真剣な眼差しで教えてくれた言葉が、無意識のうちに指先の動きを止めていた。


