ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜

「君のプロデュース能力が自分自身に向けられた時、これほどまでの破壊力を生むとはね。今夜の講堂の視線は、すべて君のものになる」


「ありがとう、ございます……」


夏凜は努めて淑やかに微笑んでみせた。


完璧なドレス、完璧なヘアメイク、そして隣には全校の女子が羨望の眼差しを向ける最高のパートナー。


幼い頃から夢見ていた「最高の相手と夢のようなファーストキス」のための「お姫様のようなシチュエーション」のすべてが、今、手の中に揃っていた。


けれど――。


胸の奥底に横たわる空洞は、どんなに華やかな装飾を施しても、冷たく凍りついたまま埋まることはなかった。