ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜

窓から埃っぽい西日が差し込む準備室の中央。


絵の具箱やスケッチブックの山を棚の前に下ろし終えた少年は、男子生徒たちに囲まれながら、ただ小さく頭を下げていた。


「……うん。掃除、やっておくよ」


反論も怒りも見せず、従順に押し付けを受け入れる掠れた声。


「おいおい、本当に逆らわねえのな。ウケる!」


「じゃ、頼んだぜー」


男子生徒たちが肩を揺らしながら部屋を出ていく。夏凜は咄嗟に廊下の柱の影に身を潜めた。