帰りの電車の中での記憶は、ほとんどない。
気がついたら、私は自分の家の玄関を開けて、そのまま2階の自分の部屋へと駆け込んでいた。
「ただいま……っ!」
誰もいない自室に入った瞬間、私はバッグを床に放り出し、そのままベッドに向かってボスッとダイブした。
柔らかい布団に顔をうずめて、足をバタバタさせる。
「うわぁぁっ……」
大声を出したわけじゃないのに、喉の奥から変な声が出た。
布団から顔を上げ、枕をぎゅっと抱きしめてベッドの上に座り込む。
部屋の鏡に映った自分の顔を見ると、りんごみたいに真っ赤になっていた。
……自分でも引いちゃうくらい。


