バタン、と静かに閉まった扉を見つめながら、私は自分の胸をぎゅっと両手で押さえる。 静まり返った図書室の中で、私の心臓の音だけがドクドクと鳴り響いていた。 顔が、火を噴きそうなくらいに熱い。 なに、今の……っ。 泣きそうなほど切ない目。 掠れた声。 甘いシトラスの匂い。 そのすべてが頭から離れなくて、私はフラフラとした足取りで、なんとか自分のバッグを拾い上げて学校を後にした。