氷の王子の、溶けない独占欲。



遠崎くんはそう呟くと、ゆっくりと本棚についていた右手を下ろした。


そして、私の指先を、壊れ物を扱うようにそっと自分の長い指で包み込んだ。








すると急に、ぎゅっと、痛いくらいに強く握りしめられる。










「俺の知らないところで笑うな。他の男に世話なんて焼くな。……俺だけ見てろよ、ゆら」










夕闇が完全に図書室を包み込む中、彼の繋いだ手から伝わってくる熱だけが、私の心を溶かすように、いつまでも消えずに残り続けていた。