氷の王子の、溶けない独占欲。





遠崎くんはそこで言葉を詰まらせると、ギリ、と悔しそうに奥歯を噛み締めた。










その瞬間、彼の端正な顔がぐっとさらに近づいて、私たちの鼻先が触れ合いそうな距離になる。






彼の長い睫毛の1本1本までがはっきりと見えて、私は息をすることすら忘れてしまった。








「お前が買い出しに誘われた時、本気でアイツを殴るかと思った。一ノ瀬先輩が止めなきゃ、俺、何してたか分かんねぇ……」




「それは……仕事を押し付けられて怒ってたんじゃ、ないの……っ?」






私が蚊の鳴くような声で尋ねると、遠崎くんはひどく切なそうに眉を下げ、小さく笑った。








「そんなわけねぇだろ。俺が自分の時間を削ってまで他人の仕事を手伝うような親切な奴に見えるか? ……お前と2人になりたかったからに決まってんだろ」








ストレートすぎる彼の本音。








「……これ以上、俺を惨めにさせんなよ……」