夕闇が迫る静かな図書室の中で、彼の切れ長の瞳が、じわじわと熱を帯びていく。
「……お前、本気で聞いてんの?」
「え……? う、うんっ……」
「……ハッ」
遠崎くんは自嘲気味に短く笑うと、ゆっくりと、私の方へ歩を進めてきた。
大股で一歩、二歩。
その威圧感に、私は思わず後ずさりする。
けれど、数歩下がったところで、私の背中がドン、と図書室の硬い本棚にぶつかった。
……逃げ場が、ない……っ。
身構える私を閉じ込めるように、遠崎くんが目の前に立ちはだかる。
そして、逃げようとした私の顔のすぐ横の本棚に、彼の大きな右手が強く叩きつけられた。


