氷の王子の、溶けない独占欲。










「あのっ、遠崎くん……レジ、並んでるよ? さすがにちょっと恥ずかしいから、もう離してっ」








おそるおそる彼の制服の袖を引っ張ってお願いすると、遠崎くんは並んでいる前のお客さんをチラリと一瞥した。




彼の切れ長の瞳が不機嫌そうに細められる。








「離さねぇよ。お前、さっきから顔真っ赤だし、足元フラフラじゃん。また倒れてレジの棚でも壊したら、それこそ大騒ぎだろ」








そ、それは遠崎くんがこんなに近くにいるからなのに……っ!




心の中でそう叫んだけれど、口に出せるわけがなかった。




さすがに心臓の音が遠崎くんに聞こえてしまうんじゃないかとハラハラして、彼にしがみつくように小さくなることしかできない。






レジの順番が近づいてくる。




店員さんの「次でお待ちの方、どうぞー」という声に、遠崎くんは私をそっと腕の中から解放した。