「よし、これで全部かなっ。あとはお会計……」 私が立ち上がろうとした、その時。 ローファーの踵が、隅に置いてあった箱に引っかかった。 「きゃっ──」 またやってしまった。 自分のドジさに目眩を覚えながら、私は後ろの棚に向かって倒れ込みそうになる。 けれど、硬い棚にぶつかる前に、私の腰に腕が回された。 グイッ、と強い力で引き寄せられる。 気がつくと、私は文房具店の通路の真ん中で、遠崎くんの広い胸の中にすっぽりと抱きしめられていた。