やがて見えてきたのは、駅前にある3階建ての大きな文房具店だった。
自動ドアをくぐると、色とりどりのペンやノートが綺麗に並び、学生や買い物客で賑わっている。
「えっと、一ノ瀬先輩にもらったリストだと……まずは2階の画材コーナーだね」
私が案内板を見ながら言うと、遠崎くんは無言で私の隣に並び、エスカレーターへと足を進めた。
上りのエスカレーターに乗る。
遠崎くんが私のすぐ後ろに立った。
ふわりと、彼の制服から香るシトラスの匂いが鼻先をかすめる。
後ろを振り返ると、すぐそこに遠崎くんの端正な顔があって、私は思わず息を呑んだ。


