氷の王子の、溶けない独占欲。







胡桃くんも「は〜い、すみません」と、頭の後ろで手を組んでひょうきんに肩をすくめている。




私はハラハラしながら、冷や汗を拭った。








よ、よかった……! 


一ノ瀬先輩が来てくれなかったら、どうなっちゃうかと思った……。








「桜庭、胡桃。買い出しの件だが、必要なものが多岐にわたるから、2人で行ってもらうことになっていたんだ。ただ──」








一ノ瀬先輩は眼鏡の奥の目を光らせ、手元のリストを私に見せた。








「思ったより画用紙や模造紙の量が多くてな。女子の桜庭と少し頼りない胡桃の2人だけだと、持ち帰るのが大変かもしれない。……遠崎」








先輩が名前を呼ぶと、遠崎くんが「……なんですか」と顔を上げる。








「新刊の入力は俺が代わりにやっておく。お前、桜庭と一緒に買い出しに行ってやれ。胡桃はここで本棚の整理だ」




「えっ、でも先輩にそんな……」




「構わん。その方が効率がいい」