氷の王子の、溶けない独占欲。









「遠崎先輩、僕のこと嫌いですか〜?」




「……あ?」








遠崎くんの額にピキッと青筋が浮かぶ。
図書室の空気が、かつてないほどのピリピリとした緊張感に包まれていく。








「おい、そこまでにしとけ」






遠崎くんの低い声が図書室に響き渡った、まさにその瞬間。




カウンターの奥にある図書準備室のドアが開き、きっちりと制服を着こなした眼鏡の男子生徒が姿を現した。






図書委員長の3年生、一ノ瀬(いちのせ)先輩だ。






手にした活動資料で、一ノ瀬先輩は遠崎くんの肩をコツンと叩いた。








「遠崎、後輩を睨むな。胡桃も仕事の連絡中に先輩をからかうような真似はするな。……図書室では静かに、だろ?」




「……チッ」








一ノ瀬先輩の冷静で容赦のない正論に、遠崎くんはひどく不機嫌そうに舌打ちをして、一歩後ろへと下がった。


せっ、先輩に舌打ち……!