背の高い遠崎くんに視界を遮られ、私は見上げる形になる。
「えっ? でも遠崎くん、新刊の入力がまだ残ってるんじゃ……」
「そんなの、後でやればいい。……そこの1年。お前、桜庭に変な口調で喋んな。馴れ馴れしい」
冷酷極まりない視線で見下ろされた胡桃くんは一瞬ピクッとしたものの、笑みを作った。
ふにゃっとした笑顔を崩さないまま、遠崎くんを見上げる。
「え〜、遠崎先輩、怖いですよ? 僕はただ、桜庭先輩が可愛いから一緒に行きたいなって思っただけですもん」
……胡桃くん。
私を巻き込むのはやめていただきたいっ……。

