後ろから支えた時も、相合い傘をしていた時も、桜庭は信じられないくらい無防備に、綺麗な瞳で自分を見つめてきた。
『遠崎くんは、優しいね』
あんなに無邪気に笑って、あんなに真っ直ぐな感謝を向けられるなんて、思ってもみなかった。
周囲の女子達が向けてくる、外見だけを消費するような薄っぺらい視線とは、全く違う。
桜庭は自分のドジを本気で反省して、俺の肩が濡れているのを本気で心配してくれた。
あの顔であんな近くで触られたら……普通に意識されてんのかと思っただろ……。
なのに、当の本人は図書委員のペアとしてしか自分を見ていない。
「……あいつ、本気で鈍感すぎんだろ。それとも、俺が魅力ねぇだけ?」
他の男にも、あの笑顔を見せているんだろうか。

