氷の王子の、溶けない独占欲。





私は少しシュンとしつつ、慌てて本の山に手を伸ばした。








ガラガラ……と静かな空間に台車のキャスターの音だけが、やけに大きく響く。






私は1冊ずつ背表紙のラベルの番号を確認しながら棚へと戻していくのだけれど、背後にあるカウンターが気になって、どうしても手元がぎこちなくなってしまう。






う……、本当に話さないんだ……。


いつも友達といる時はおしゃべりが止まらないから、この静けさはなんだか落ち着かないや……。






時計の針がチクタクと進む音。


遠崎くんが静かにキーボードを叩く、カタカタ、という規則的な音。


そして、窓の外でパタパタとスズメが羽ばたく音まで聞こえてきそうなくらい、図書室は張り詰めた沈黙に支配されていた。