「あっ──」 激しい水がこちらに飛んでくる。私は思わず目を瞑った。 けれど、いつまで経っても冷たい水の感触はない。 気がつくと、私の目の前には遠崎くんの白いシャツがあった。 「危ないだろ。最後まで周り見て歩け、ドジ」 耳元で、少し怒ったような、でもどこか必死な声が響く。 遠崎くんの左手が、私の肩を優しく、でも離さないように強く掴んでいた。 「遠崎、くん……」 すぐ目の前にいる彼を見上げたまま、私は固まってしまった。