氷の王子の、溶けない独占欲。

……そっか。遠崎くんって、本当に仕事に真面目なんだな、すごいなあ……!




私は「明日もブッカー貼りの続きがあるもんね!」と頷いた。




うん、なんだか腑に落ちたっ!




すると、遠崎くんはまた一瞬だけ足を止め、不思議な視線を私に向けた。








「お前……今も本気で言ってる?」




「え? な、何が……?」




「……いや、なんでもない」








遠崎くんは深い深い、本日何度目か分からないため息をついて、再び歩き出した。




どうして彼がそんなに呆れているのか分からなくて、私は首を傾げる。






けれど、ふと遠崎くんの右肩に目が向いたとき、私は「あっ」と小さく声を上げてしまった。








「遠崎くん、右の肩、雨ですっごく濡れてるよっ! もっと傘、こっちに傾けて……っ」








遠崎くんの右肩は、激しい雨のせいで制服のブレザーが濃い色に染まり始めている。