氷の王子の、溶けない独占欲。









「あ……」








思った以上に、距離が近い。


遠崎くんが私を濡らさないように傘を左側に大きく傾けてくれているせいで、私たちの肩と肩が歩くたびに触れ合ってしまうほどの距離だった。






学校の敷地を出て、駅へと向かうアスファルトの道を歩く。




外は完全に土砂降りで、他の生徒たちは皆、足早に駅へと走っていく中、私たちの歩くスピードは、驚くほどにゆっくりだった。






……あれ? 


遠崎くん、普段は、もっと歩くの早いよね……。






学校の廊下を歩く彼の姿を思い出す。彼はいつも長い脚で、周囲を置き去りにするような速さで歩いているはずだ。






なのに今は、私のペースに完璧に合わせるようにゆっくりと歩いてくれている。








「あの、遠崎くん。私に歩幅、合わせてくれてるの……?」