氷の王子の、溶けない独占欲。







う、噂通りの塩対応だっ……!






私はごくりと唾を飲み込み、バッグをカウンターの下に置くと、少し声を張って話しかけた。








「あの、遠崎くん! 今日からよろしくお願いしましゅっ……」








緊張のあまり、思い切り噛んでしまった。


恥ずかしさで顔がカッと熱くなる。




遠崎くんは、ピッと最後の本を読み終えるとようやく動きを止めた。


ゆっくりと、あの冷たい切れ長の瞳が私の方を向く。








「……うるさい」








低くて、少しハスキーな、心地いい声。


だけど、そこに込められた温度はゼロ度以下だった。








「え……っ?」




「声がデカい。ここ、図書室だから」








遠崎くんは感情の籠もらない目で私を見下ろすと、手元にあった『図書委員活動日誌』をトントンと人差し指で叩いた。








「挨拶とかいらないから、早く仕事して。そこに返却された本、溜まってるから」








そう冷たく言い放つと、遠崎くんはすぐに視線をパソコンの画面へと戻してしまった。